センター長 ご挨拶
ICU 宗教音楽センター長 佐藤望
私は、2019年にICUに常勤教員として着任しました。ICUはすばらしい音楽の財産をもっています。大小4台のオルガン、チェンバロ、練習室や音楽設備を備えた教室、そして何よりもすばらしい雰囲気と音響のチャペルがあります。
私は2021年4月に宗教音楽センター所長に就任しました。マット・ギラン先生とも共同しながら、伝統的に続けられたオルガン・レッスンと内外の優れた演奏家によるオルガンコンサート発展に努めるとともに、学生が参加できる音楽活動も少しずつ増やしていくことを目指しています。弦楽や合唱、オルガンを使った学生の演奏会を始めるともに、新しく雅楽演奏のプロジェクトも始めました。西洋の音楽はいうまでもなく、世界に拡がった世界に拡がった音楽です。それと同様に、雅楽は、中国大陸から1200年以上前から徐々に日本に伝わり、大陸で伝承が絶えても、日本で守られ続けた音楽です。この雅楽は近年海外でも演奏されるようになってきた国境を越えるポテンシャルをもった音楽です。宗教音楽センターを拠点として、こうしたプログラムを進めています。
ICUの最大かつ最重要な財産は、ICUの学生たちの音楽的ポテンシャルだと思います。ICUのオルガン・レッスンがますます発展し、ICUがオルガン文化の発信拠点であり続けるように、また、宗教音楽センターがもっと社会に、世界に開かれたセンターになり、ICUの音楽的教育理念の発信源となることを、私達は目指しています。
2020年以来のパンデミックはまだまだ続き、争いの知らせも絶えない世の中です。世界は、混沌として先を読むことができません。しかし、そうしたただ中だからこそ、未来を見据えて、夢をもって日常のひとつひとつの仕事、ひとりひとりの学生との交わりを大切にして、学びを推し進めていこうと思います。
音楽は、人と人とを結びつける大きなパワーを持っています。宗教音楽センターは、その拠点であり、その灯台であり続けようと思います。