JP/EN
ICU
  • English
  • ICU

アドヴァンスメント・オフィスへ寄せられたお声のご紹介

アドヴァンスメント・オフィスへ寄せられたご寄付者や、スカラー(奨学金受給者)からの声をご紹介いたします

 

ICU Peace Bell 奨学金

奨学金に込められた想い、そして願い

 

私共4期生が卒業したのは1960年、同期卒は160名程度でしか無く、近年約600名の卒業生数に較べるとこじんまりとしたクラスでした。現在では全員が約80歳という集団ですが、母校に対する感謝、愛着の念が強く今でも毎年同期会を開催し続けており、可能な限りこれからも続けたいとの希望が多数意見です。皆さんは、何故(?)と思われるでしょう。その最大の理由は、4期生の多くが語る「ICU教育の4年間が有ったから今の自分が在る」「教育と言う名の4年間の贈り物に対する感謝の念」です。私自身は、取り得は英語好きだけで、二浪の後にやっと大学生たる事を得た「出来ない坊主」でした。しかし、教養科目、英語教育のお陰か卒業後、当時では難事であった留学のチャンスにも恵まれ、ヨーロッパを活躍の舞台として金融、投資業界の荒波の中、組織を頼らず独力で生き抜く事を信条にやって来られたのはICUのユニークな教育、その後の留学経験のお陰です。

 卒業後40年を過ぎた2004年、仲間も定年期入りの頃、自分なりに強く考え出した事がありました。それは、大学に対する感謝の念を「形あるものとして残したい」ということでした。大学にとり、在校生にとり、最善の貢献は何か? 潤沢では無い自分達の資金で何が出来るのか? 日夜考慮を重ねた結果、辿り着いた決論は、「年100万円、4年間支給の画期的な奨学金制度の新設」でした。これほど多額な奨学金制度は、当時の日本では例は無く正に画期的でした。同時に考えた「原資は卒業生世代の順繰り的な寄付金によるものとする」も一つの工夫でした。加えて制度継続の為卒業世代から在校生へ、その在校生が次なる世代へと「寄付のトーチをリレー方式」で受け継いでゆく点にも斬新な創意ありと自負しました。 当時ICUの独自性が開校時程目立たなくなっている、という危機感もあり、何かもう一つの特色を付け加えたい、との願いもありました。成案を得て後、これを「具体的提案」の形で理事会トップ、学長、1~3期生の先輩方、同期仲間、後輩の諸氏にお伝えする事とし、約2年間何度も何度も提案メモを郵送し続け、そのメモが数十通に達した頃、理事会、大学トップの英断があり、06年この新奨学金制度がスタートしたのです。

 実際に奨学金支給が始まったのは08年4月で、現在までに卒業スカラーを含め受給スカラーは123名と聞きます。原資となる寄付金額も累積で5.4億円にも達しており、これまでご寄付頂いた方々のご厚志、ご支援に深く感謝する次第です。とは言え、この奨学金制度を当初の目的通り「国際性」「キリスト教主義」「リベラルアーツ」に次ぐ母校の第四の特色と呼ぶには、毎年約10数名の支給規模が如何にも小さいと言わざるを得ません。理想は、「学部全在学生2500名の約5%に年額100万円支給」でしょうか。この理想実現の為、私共を含む関係者全員による一層の戦略的工夫、行動が求められます。遠大な目標ですが、その達成に向け皆様どうぞお力をお貸し下さい。

(2017年 ICU Peace Bell奨学金 ご寄付者より)

 

寄付者とスカラーの繋がりを求めて

ICU Peace Bell奨学金の存在を初めて知ったのは、まだ進路に迷っていた高校3年生の秋。自分の可能性を制限したくなかった当時の私が、担任教師に薦められるがまま手に取った、その白いパンフレットは、緑に囲まれた開放的なキャンパスのイメージが印象的で、すべての学問を「教養」として一つの学部に統一している所が非常に魅力的に映りました。母子家庭で、兄弟姉妹も多かった私にとって進路選択とは常に、夢と学費のせめぎ合いでした。しかし、そこに紹介されていたPeace Bell奨学金という制度は、純粋に、自分の希望を追いかけていいのだと思わせてくれました。実際は応募こそしてみたものの、一学年から数えられる程の、そのわずかな定員数に入ることへの期待はほとんどありませんでした。それだけに、家族に見守られながら、大学から郵送されてきた少し分厚めの合格通知を開封した瞬間は私の人生で忘れられないものになりました。

  ICUを卒業してからもうすぐ2年が経ち、私は現在、貿易関係の仕事をしています。年齢も違えば、考え方も異なる、多様な人を抱える「組織」に所属し、一つの目標に向かって共働するというのは決して楽なことではないと感じますが、ICUでの経験に毎日、支えられています。奈良県の小さな町で生まれ育った私が、今こうして世界の現場で働けているのは、振り返ればあの秋に、ICUを知り、Peace Bell奨学金を知り、皆様と出会ったからにほかなりません。4年間の大学生活を叶えてくださった皆様にこの場を借りて、感謝申し上げます。

Peace Bell奨学金はこれまでに123名のスカラーを輩出し、そして来年、2018年4月をもって、設立10周年を迎えます。この記念すべき節目にあたって、先日、我々はPeace Bell Scholar支部を立ち上げるに至りました。支部の存在理由は、寄付者の方々と奨学生、そして奨学生と奨学生同士が繋がることのできる場の提供です。

 この報告書でも新たに「寄付者の方からの寄稿」「卒業スカラーからの寄稿」「スカラーへの冊子共有」という3つの取り組みが反映されています。寄付者の方々の想い、そして卒業・現役スカラーの活動を共有し、お互いを知り合うツールの一つにこの報告書がなればいいな、と考えております。この取り組みの実現、そしてそれ以前に支部の設立にあたっては、同窓会の先輩方、大学事務局の方々にたくさんのお力添えをいただきました。ICU同窓会募金部担当副会長、アドヴァンスメント・オフィスのみなさん、学生サービス部長、ありがとうございました。

 これからもPeace Bell Scholar支部では、コミュニケーションの場づくりを中心に活動してまいります。寄付者の皆様、スカラーの皆様とお話できるのを心待ちにしております。


(2017年 ICU Peace Bell奨学金 卒業スカラーより)

(各個人名や社名などはオンライン公開版用に省略・変更しています)