2023年度秋学期

cover_aut.png

Contents

  • 2023年度夏期コミュニティ・サービス・ラーニング
    ・参加者の声
    ・学生受入団体の声
  • 2023年度国際サービス・ラーニング
    ・参加者の声
    ・学生受入機関の声
  • SL Ambassador 新メンバー
  • 編集後記

2023年度コミュニティ・サービス・ラーニング

ishihara.JPGこの夏は、11名の学生がコミュニティSLに参加しました。JSSLに5名、長崎SLに2名が参加し、4名の学生が自分で活動先を見つけて活動しました。本格的に再開した国際SLの影響もあってか、ここ数年と比べると履修者は少なめでした。一方、JSSLでは、4年ぶりに海外の留学生を10名受け入れ、三鷹市近郊と天龍村で3週間の活動を行いました。留学生はもちろん、ICU生にとっても日本をより深く知る機会となりました。この夏は非常に暑い日々が続き、(私含め)体調を崩す参加者もいましたが、全員が無事に活動を完了できたことを大変嬉しく思います。地球沸騰化と言われ始める中、来年からはこれまで以上の猛暑対策が必要かもしれないと思わされました。

(コミュニティ・サービス・ラーニング コーディネート担当 石原謙治)

参加者の声

春学期から夏休みにかけて合計15名のICU生がコミュニティ・サービス・ラーニングの活動に参加しました。このうち、8名からそれぞれの活動の体験談をお寄せいただきましたのでご紹介します。

体験談は下記リンクからご覧いただけます。

「コミュニティSL体験談」はこちら

jssl_kawada_f.jpeg np_aizawa_f.jpeg Camera shy hoboku_nagao_f.jpeg
川田采奈
Japan Summer Service-Learning
相澤陽香
長崎平和推進協会・長崎大学
金井七海
AIU X ICU Service-Learning
長尾ホサナ
NPO法人 抱樸
mei_suzuki_f.jpeg waku_hori0_f.jpeg kd_ueshima_f.JPG トリミングchal_kimura_f.jpeg
鈴木優理
世田谷区立明正小学校
堀はぐみ
しげんcafeわくわく
上島あや菜
認定NPO法人キッズドア
木村なつ
チャルジョウ西会津農場

学生受入団体の声

今年も多くの団体の方々にご協力をいただきました。その一部ですが、団体の方々からコメントをいただきましたのでご紹介いたします。

わくわくかん若畑写真.png若畑 省二氏

しげんcafeわくわく(NPO法人わくわくかん)

 ICUのサービス・ラーニング・プログラムについて、私は何も知識を持っていなかったのですが、以前に大学の教員をしていた経験から、休暇中のボランティア活動程度に捉えていました。しかし、実際に受け入れてみると、時間数や活動内容等の面で、非常に内容の濃いプログラムで驚きました。参加をした学生の意欲や姿勢も非常に真摯で、こちらにとってもよい刺激となり、本当に得難い機会となりました。

廣佐古 写真.jpg廣佐古 俊之氏

長崎平和推進協会

 長崎のプログラムに参加した学生は、長崎大学の講義を受講し、真夏の猛暑に耐えながら施設や被爆遺構を見学して原爆について学び、長崎特有の歴史・文化にも触れる生活を送った。また8月8日と9日の長崎原爆の日に開催している、全国から集まる中高生を中心とした「青少年ピースフォーラム」の運営にも参加した。今年は台風の影響で残念ながら8月9日の行事が中止となったが、長崎ならではの体験を今後に活かしてもらいたい。

 

青少年ピースフォーラム2023.JPG

NPO法人抱樸奥田知志 20180103.jpg奥田 知志氏

NPO法人 抱樸

 1988年より北九州を拠点に「ひとりにしない」という支援を目指し、経済的困窮状態や社会的孤立状態にある方に対して、自立支援、社会的処遇の改善、地域生活の安定等に関する支援事業を行い、共に生きる社会を創造することを目的に活動をしている団体です。
私たちは、誰も取り残されない社会を作りたい。誰もがありのままで受け入れられる社会を作りたい。「自己責任」と家族の役割ばかりが大きくなっていく風潮の中で、何の心配もせずに「助けて」と言える社会をつくります。
このような活動を社会に広く知らせていくために、インターン生、奨学生、抱樸見学ツアーの方々の受け入れを積極的に行っています。

(文責:森松秀美氏)

マスク02.jpg マスク01.jpg マスク03.jpeg 施設02.jpg

2023年度国際サービス・ラーニング

kuronuma.jpeg今夏、SLCはパートナー機関と協働し、アジアとアフリカの6ヵ国8機関で国際サービス・ラーニング・プログラムを実施しました。SLC史上最多となる総勢61名の学生が参加しました。16名の学生がフィリピンのシリマン大学でお世話になり、14名の学生が4年ぶりに再開されたインドネシアのペトラ・クリスチャン大学主催の7ヵ国共同プログラムに参加しました。同じくインドネシアで、社会的企業のDari Kと新規プログラムを実施し、11名の学生が活動しました。その他、中国の愛徳基金会に2名、インドのレディ・ドーク⼤学とユニオン・クリスチャン⼤学に計8名、南アフリカのケープタウン大学へ8名の学生を派遣しました。さらに、韓国では言語学の李教授の御指導の下、2名の学生がサービス活動を行いました。コロナ禍を経て、各国で健康や安全リスクが高まっています。しかし、今回の数字と各報告を見ると、学生の情熱と行動力が再び開花した夏だったことが分かります。ご協力くださったパートナー機関の皆様に改めて御礼申し上げます。熱い夏をありがとうございました!

(国際サービス・ラーニング コーディネート担当 黒沼敦子)

参加者の声

春学期から夏休みにかけて合計61名のICU生が国際サービス・ラーニングの活動に参加しました。このうち、8名からそれぞれの活動の体験談をお寄せいただきましたのでご紹介します。

体験談は下記リンクからご覧いただけます。

「国際SL体験談」はこちら

af_nagahara_f.jpeg ucc_ishida_f.jpeg ldc_negishi_f.jpeg dk_Waka_f.jpg

長原さつき
中国 The Amity Foundation

石田遥佳
インド Union Christian College
根岸伶
インド Lady Doak College
若林加恵
インドネシア Dari K
pcu_osawa_f.jpeg su_azagami_f.jpeg uct_inoue_f.jpg トリミング_田邊日菜花.jpeg
大澤楓
インドネシア Petra Christian University
畔上颯馬
フィリピン Silliman University
井上瑠菜
南アフリカ University of Cape Town
田邊日菜花
韓国GBSファーム
(教員主導コース:李 勝勲教授)

学生受入団体の声

今年もパートナー機関の方々にご協力をいただきました。その一部ですが、パートナー機関の方々からコメントをいただきましたのでご紹介いたします。

darik_01.jpg菊川 愛理氏

インドネシア Dari K株式会社

Dari K株式会社は、インドネシア・スラウェシ島産カカオを使用したチョコレートブランドです。
今夏のサービスラーニングでは、現地のカカオを使った「地産地消を促す商品開発」という課題に取り組んでいただきました。好奇心とリスペクトを持ちながら地域の方と積極的に関わる姿勢や、新鮮でみずみずしい商品のアイデアにスタッフ一同良い刺激を受けました。この活動に真摯に向き合って下さった皆さんに感謝を伝えたいです。

darik_05.jpeg darik_04.jpeg darik_02.jpeg darik_03.jpeg

ucc_justin.jpgDr. Justin Nayagam

インド Union Christian College

教育実践としてのサービス・ラーニングは、ユニオン・クリスチャン・カレッジ(インド)のビジョンとミッションに完全に合致しており、全人教育に重点を置いています。2023年のSLには18の提携機関がありました。この多様化により、同センターは活動を拡大し、奉仕学習をカレッジのすべての学位コースの一部にするという目標の達成に近づきました。UCCにおけるSLCの活動は、教育、女性のエンパワーメント、環境、文化といった4つの分野に広がっています。

UCCのサービス・ラーニング・センターは、初等教育から高等教育までの教育機関と提携しています。これらの学校は都市部と農村部の両方にあります。障害者のための教育機関や体験学習を奨励している教育機関には特に重点を置いています。 センターは、多分野の視点から女性の問題に焦点を当て、彼女たちのライフストーリーを記録しています。さまざまな社会経済的背景を持つ女性たちとの交流は、草の根レベルでの問題解決、リーダーシップ、意思決定について実践的な理解を得ることを目的としています。

キャンパスの豊かな生物多様性は、環境サービス学習を通して研究され、マッピングされています。キャンパス内の植物を探索することで、学生コミュニティに環境意識を深く根付かせ、生態系の多様性を理解することができます。 文化的多様性のある土地に属し、食文化、宗教、歴史、芸術様式に関連したサービス・ラーニングを行うことは、異文化間および宗教間の調和を築く上で大いに役立ちます。

ucc_02.JPG ucc_05.JPG ucc_04.JPG ucc_03.JPG

20230117_120403[95].jpgMs. Nicola Latchiah

南アフリカ University of Cape Town

UCT国際アカデミック・プログラム・オフィス(IAPO)内のグローバル・ショート・アカデミック・プログラム(GSAP)ユニットは、2023年7月9日から8月10日の期間、国際基督教大学の学生8名を対象に、南アフリカの基礎教育に関するサービス・ラーニング・プログラムを開催しました。プログラムの目的は、学生にとって以下の3つでした:

- 持続可能な開発のための教育(ESD)における価値観に基づく教育を探求し、実施するために、フォーマルおよびノンフォーマルの学校現場で奉仕すること
- 日本と南アフリカの文脈におけるESDを共有、比較、対照することで、ESDの概念を理解すること
- 奉仕活動を振り返り、日本や世界におけるESDの新しい形を創造し、行動できるようにする

小学校や高校での体験学習、非営利団体でのボランティア活動を通して、生徒たちはケープタウンの地域社会に影響を与えることができただけでなく、日本の自分たちの状況と比較することもできました。

uct_02s.JPG uct_01s.JPG

pcu_01.jpgMr. Denny Haryanto

インドネシア Petra Christian University

"Keep blessing the nation!"このCOPのキャッチフレーズは、社会に還元し、配慮する探求を担うことが、シビタスアカデミックとしての私たちの使命であるという信念に根ざしています。ペトラ・クリスチャン大学が企画した国際サービス・ラーニング、コミュニティ・アウトリーチ・プログラム(COP)2023が順調に実施されたことを神に感謝します。

2023年7月から8月までの約1ヶ月間、ペトラ・クリスチャン大学/インドネシア、国際基督教大学(ICU)/日本、桃山学院大学/日本、東西大学校(DSU)/韓国、インホランド/オランダ、シンガポール社会科学大学(SUSS)/シンガポール、輔仁大学(FJU)/台湾、香港科技大学(HKUST)/香港、ウィラ・ワカナ・クリスチャン大学/インドネシア、ウィディヤ・マンディラ・カトリック大学/インドネシアの7カ国10大学の学生たちが協力し、地域社会に奉仕しました。私たちは皆、東ジャワ州モジョケルト県と東ヌサ・トゥンガラ州西スンバ県の地域コミュニティと共に学び、成長しました。

COPは、モジョケルトの地域コミュニティに全体的な利益をもたらし、影響を与えました。例えば、いくつかの村が地元のリゾート地としてのアイデンティティを創造し、管理することを支援しました。このCOPは非物質的なプログラムを通して、コミュニティで起業家精神を育むためのインスピレーションと機会を提供してきました。COPの参加者が創造的なアプローチで子どもたちに教えることで、地元の子供たちがより良い教育を受けたいと思うきっかけとなりました。また、地域の若い大人たちは、COP参加者が開催した会を通して、テクノロジーを賢く使う方法を学びました。物質的な開発プログラムでは、地域できれいな水を供給するための配管システムを開発したり、公共施設を真新しい外観に改築したりして貢献しました。

もちろん、参加者は文化の壁、性格の違い、天候の変化、食べ物への適応など様々な課題に直面しました。しかし、この共同作業によって参加者の間に回復力と敏捷性が培われたことで、困難に対処し、彼らが住む村の数々の問題に対処するための有意義な活動を企画運営することができるようになりました。
COPは、より良い社会生活のための持続可能な開発目標の達成を直接的に支援しています。多くの興奮の中で、この探求に参加する次の機会が開かれています。

pcu_06.jpeg pcu_02.jpg pcu_05.JPG pcu_04.JPG pcu_03.jpg

SLアンバサダー新メンバー紹介

SL AmbassadorはICU学内外にサービス・ラーニングを広める活動に関わる現役のICU学生です。今年サービス・ラーニングに参加したICU生のうち、12名が新たにメンバーに加わりました。

kuze_001.jpeg久世 実子

長崎平和推進協会・長崎大学

私とサービス・ラーニング

2023年に長崎でサービス・ラーニングを行いました。私の興味分野である国際関係と、現在履修している学芸員過程をかけ合わせた学びができるということに惹かれ、長崎を選びました。長崎平和推進協会・長崎大学RECNAとの提携の下、現在の核兵器をめぐる国際情勢や長崎の平和教育の実態などを肌身で感じて学んできました。印象的だった経験は、原爆資料館の学芸員の方と今後のより良い博物館に向けて議論したことと、現地の中高生とピースボランティアとして被爆遺構のガイドをしたことです。これから、SLアンバサダーとして、ニュースレターの執筆やサービス・ラーニングの素晴らしさを後輩たちに伝えていくことをしたいと思っています。サービス・ラーニングをすることによって自分が追求していきたい学びを明確にすることができるし、自分の興味関心がなくても参加してみることによって自分の力を発揮できる学問や将来携わっていきたいことの道筋が見つかるかもしれません。今後SLアンバサダーとしての活動が自分のためであり後輩たちのためになることを願って、「サービス・ラーニング」という学びの体系をICUに浸透させていきたいです。

kuze_004.jpg kuze_003.jpg kuze_002.JPG

SL センター長からのメッセージ

kato-01.JPG加藤 恵津子 教授

文化人類学
サービス・ラーニング・センター センター長

この夏はポストコロナ?ウィズコロナ?サービス・ラーニング(SL)センターはまず、「ポストコロナ」を実感しました。海外旅行が解禁となり、国際SLには61人、またコミュニティ(国内)SLにも対面で12人、春学期も入れると15人が参加しました。JSSLプログラムでも四年ぶりにフィリピン、インド、アメリカから学生たちを迎え入れ、一見すべてがコロナ前に戻ったかのようでした。
私と黒沼先生もインドでアジアSL学会に参加しました。しかし二人とも帰国直後に発熱、なんとインドで「ウィズコロナ」していました。同じ頃、国際SL学生たちから次々と体調不良の報告が。幸い全員無事に帰国しましたが、パンデミックの三年間、清潔な日本でマスクをして過ごしていた身体が、異なる風土に対していかに免疫を失っていたかを実感。さらに強烈だったのが、コロナに罹った自分の体温と同じくらいの気温、つまり地球沸騰。身体も、地球も大切に。

編集後記

AK.jpgこの夏、サービス・ラーニング国際会議に出席するため、初めてインド(ベンガルール)を訪れました。数日の滞在でしたが、現地の方々との関係構築や交渉で異文化を経験しました。今は、BBCの記事で見つけた話題のインドドラマを視聴して、インド社会や文化を探訪中です。

KI.jpg地球沸騰化を意識する非常に暑い夏でした。熱中症警戒アラートも安全に活動する目安にした方が良いと思わされました。この先、10年後、20年後の夏はどうなってしまうのでしょうか...。

YS.jpgこの夏数年ぶりに対面で開催されたJSSL。アジアやミドルベリー大学からも学生が来日することができ、楽しんでいる様子を見れたことは何より嬉しかった。一方で、酷暑の中、三鷹市で日中活動することに危機感も感じた。暑さ対策も一層必要になりそうだ。

YY.jpg8月末にSLCオフィスが本部棟に移転しました。ダイアログハウスにいた頃はなにかと学内を移動する用事がありましたが、今はほぼ全て本部棟内で完結するので便利な反面一日中座りっぱなし。少しは体を動かそうと、自転車通勤を始めました。

MS.jpgアフターコロナとは言え、世界情勢が不安定な中、ビフォーコロナ以上に多くの学生を国際SLに送り出すことに不安を覚えていました。しかし協定校の安定した運営に支えられ、学生たちが無事帰国して、安心しました。一日も早く世界が平和になるよう祈るばかりです。