プロジェクト
ICU's Major x Service-Learning「SLと私」
こんにちは、SLアンバサダーです!こちらの「SLと私」という企画では、先生に対して自身のSL経験や、学生にできるアドバイスについてインタビューを行っています。メジャーに迷っている皆さま、SL活動が気になっている皆さま、ぜひ参考にしてください !
生駒 夏美教授 ジェンダー, ヨーロッパ文学
先生の研究分野とその魅力とは
ジェンダーとセクシュアリティが交差する分野で、身体とジェンダーが文学でどのように表現されているかを研究しています。魅力は理論に助けられて読むことで、作品が書かれた裏にある社会規範などが浮かび上がってくること。また、最近の女性作家たちがどのように既存のジェンダー階層構造をひっくり返すために文学を使っているか、そのすごさを言語化して世の中に紹介できるというところも面白いと感じています。
サービス活動経験を教えてください
中高の頃は、高齢者介護施設にボランティアに行っていましたが、一緒にお話やお遊戯の時間をやっているだけでした。しかし、高齢者の人たちに楽しみにしてもらったり、感謝されたりして、その経験がとても勇気をくれて嬉しかった。それがボランティアの原体験かなと思います。現在は、地方自治体の中で、専門家としての知識を求められることがよくあり、活動を続けています。
SL生にどのようなアドバイジングができますか
学生が興味を持って学びにきてくれているだけで、団体の方々にとっては力になるという話をしています。また、相手の話をよく聞いて、相手が自分に何をしてほしいかや、自分には何ができるのかについて受け止めて、心がけると良い、とお伝えできると思います。
先生のメジャーでの学びにSL活動はどのように活かせると思いますか
SLで他者に寄り添って活動する体験は、文学やジェンダーセクシュアリティ研究における、「他者の声を聞く」という姿勢に重なるものがあると思います。「自分に何ができるのかを、他の人に聞くところから考え始める」という姿勢を身につくのが、SLの一つの大きな特徴だと思っています。
宮田 謙一教授 国際関係論, 政治学 (メディア研究、ジャーナリズム研究)
先生の研究分野とその魅力とは
広い意味でのメディア研究、狭くいうとジャーナリズム研究です。新聞記者の実務経験をもとに、ジャーナリズムの研究をしています。学生とはジャーナリズムが果たす公益的役割を考えたいです。また、デジタル世界の広がりによる情報の波の中で、必要な情報をピックアップして得ていくことを考えてほしいです。それぞれの人たちが持っているメディア観を論理的に鍛えられたものにしていく過程で、メディアやジャーナリズムが果たしている公益的役割を知ってもらえれば、将来の情報生活は豊かになると思っています。
SL生にどのようなアドバイジングができますか
学生のテーマによって内容は変わります。例えば去年は、学生から「貧しい人たちに上から目線で接してしまうのを避けたい」と、自分が活動する際の立場(ポジショナリティ)に関する相談がありました。その際は、「サービスは豊かな人が貧しい人に施すのではない。自分たちが恵まれている幸運に恩返しをする、お手伝いさせてくれてありがとう、という風に捉えられれば、そこに施し視線はない。協力できることに対して感謝の気持ちを持つことで、そのようなポジショナリティの罠から抜け出せるのではないか。」といったことを伝えましたね。また、プレゼンや台本を作る段階で何度も面談を行い、そこで実りあるダイアローグをすることができたと思っています。
先生のメジャーでの学びにSL活動はどのように活かせると思いますか
ジャーナリズムの醍醐味は、当事者に会って話を聞いたり、現場に行って自分の目で見たりすることで、予想とは全然違う真実が分かることです。サービスラーニングでも、現場を見ることによる発見をして欲しいと思います。例えば、貧しい人を助けに行くんだと思っていた人が、現場に行くことで、彼らは不幸せではなかったと気付いたりするかもしれません。
大川 洋教授 教育学
先生の研究分野とその魅力とは
昔、短大生の国際交流キャンプの引率をしました。スリランカの電気が通ったばかりの村や、フィリピンのスラム街を訪れました。その後に日本にも、無国籍で教育を受けられない子供たちがいることを知り、社会にはたくさんの課題があることを認識しました。現在は、三鷹市立第7中学校の未来塾に、ICU生を派遣しています。
サービス活動経験を教えてください
子供向けの科学教室を開催したことがあります。政治的決定の場における、文理の分離現象への危機感を抱いており、一般の人を対象にしたいという想いが背景にありました。文理が互いにコミュニケーションを取ることが大切だと思います。
SL生にどのようなアドバイジングができますか
日本の教育がどのような考え方に基づいて展開されているか、あるいはスリランカ国際交流キャンプやフィリピン国際交流キャンプなどを通じて私自身にどのような変化があったのかをお伝えできるかなと思います。理論とか哲学とか、ものの見方や考え方を知ったうえで現場に行くと、学生は多くのことに気づけると思います。
先生のメジャーでの学びにSL活動はどのように活かせると思いますか
社会課題に気づくことで、問題意識を持って、能動的かつ探究的、理論と実践との往還的な学びができるようになるのではないでしょうか。例えば、貧困と不登校の問題に携わることで、解決策を考え、教育と行政の働きに関心を持つようになると思います。また、SLには、使命感や責任感といった心のエネルギーを育む学びを期待しています。
岡村 秀樹教授 物理学
先生の研究分野とその魅力とは
専門は、物理、特に光やレーザーです。物理は、人間が作ったのではない、自分たちが生きている世界を知る学問です。深淵なこの世界の仕組みを知ろうとするので、他の学問と比較して根源的だと思います。現在、人類は様々な危機に直面していますが、 どうすればそれを乗り越えられるのかを考える際に、大きな役割を果たし、未来に関わる学問だと思います。
サービス活動経験を教えてください
子供向けの科学教室を開催したことがあります。政治的決定の場における、文理の分離現象への危機感を抱いており、一般の人を対象にしたいという想いが背景にありました。文理が互いにコミュニケーションを取ることが大切だと思います。
SL生にどのようなアドバイジングができますか
担当する生徒のほとんどは文系専攻なので、自分は理系的な視点を教えることをしています。理系と言っても単純に数字を使うわけじゃなくて、自分が「こう思った」ってことに対して、その事実を確かめる態度を大切にしています。
先生のメジャーでの学びにSL活動はどのように活かせると思いますか
SLを通して、学生は自分と社会とのかかわりを意識し、社会に果たすことのできる役割があると、身をもって認識するのではないでしょうか。物理学に限らず、理系分野で学ぶ人には、得た知識や分析結果から、新しい視点を社会に提供するという役割があります。SL活動は、自分の役割を考え始めるきっかけとなると思います。
藤沼 良典准教授 物質科学・生命科学
先生の研究分野とその魅力とは
環境土壌学専門で、特に化学の視点から研究をしています。もともと、おいしいものを食べたくて、食物栽培に欠かせない土に興味を持ちました。環境研究の魅力は、環境は生活を取り巻くすべてだということです。未来のよりよい環境を目指して時と場合を見極めながら、何かを作ったり、今あるものを守ったりするのはおもしろいです。
サービス活動経験を教えてください
農学部生の時、教授に勧められ、新潟県上越市の農家でボランティアをしました。始めはひたすら草刈りでしたが、田植えに呼んでもらえるようになり、すっかり楽しくなってしまいました。農家の方は少しずつ打ち解けてくださり、お付き合いは今も続いています。
SL生にどのようなアドバイジングができますか
事前に、活動先に対して持つイメージやサービスできると思うことについて、学生が考えを整理するのをサポートします。活動中は、頻繁にメールで報告してくるようアドバイスします。こちらから、初期から変化があったかを問いかけるようにもしています。
先生のメジャーでの学びにSL活動はどのように活かせると思いますか
僕は環境メジャーを選ぶ生徒には、SL活動を勧めています。環境分野の学びにおいて、教室の中で得た知識と現場の知識をどう結びつけていくかって、一度外に出ないとわからないんです。環境にある問題を認識し、成功するかどうかは別として、どう変えられるかを考えて行動するプロセスが本当に大事だと思います。