国際SL体験談

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フィリピン Silliman University

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金 娜贇 KIM, Nayun

春学期の授業を通して、サービスとは何か、自身の問いや興味は何か、サービス・ラーニングで重要な要素は何か、といったことにじっくりと向き合えた時間が、夏のサービス活動を有意義なものにしました。活動前の学習、夏の活動、活動後のリフレクションといった段階を踏むことで、経験を学びへと昇華させることができる点が素晴らしいと思いました。また、現地での活動中毎週金曜日に行われたリフレクションでは、シリマン大学の先生方のフィードバックを通して、自身の経験や感想を批判的に見つめることができました。

サービス活動を通して特に印象に残っているのは、活動先の子どものHome Visitingでスラム街を訪れた経験です。空き瓶を並べて窓の代わりにしている家の中で子守唄を流して赤ちゃんをあやしている女性の姿。筆記用具がないためか、ボコボコの壁に子どもがチョークでアルファベットを練習したような痕跡。ビニールシートを屋根の代わりにしている家。初めて目にするこれらの光景に衝撃を受けましたが、この経験を通して活動先の子どもたちに対する理解が深まっただけでなく、貧困をはじめとするフィリピンの社会問題への関心がさらに高まりました。自分で足を運んで、自分の目で見る重要性を痛感した経験でした。

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Home Visitingで足を運んだスラム街で見つけた壁。アルファベットを練習したかのような痕跡が残されていた。
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リフレクションを行った後に、ICU生、シリマン大学のバディ、先生方と共に撮った写真
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活動先のLCP (Little Children of the Philippines) の子供たちと塗り絵を楽しむ様子

インド Lady Doak College

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中川 理子 NAKAGAWA, Riko

教職を目指しているため、小学生への授業という点に魅力を感じてインドのサービス・ラーニング(SL)に参加しましたが、共通の言語がない子供達に英語でわかりやすく教えることだけでなく、それ以上に、現地の人々の温かい歓迎や、宗教の生活への影響の深さ、公立と私立の差など、教育だけにとどまらない多くのことを学ぶことができました。この一ヶ月間で、異文化や多様性により寛容になるとともに、より多くの世界を見てみたい、という思いが強まりました。私の価値観を大きく変えてくれたSLに感謝しています。

サービス活動で印象に残っていることは、公立と私立の差と、宗教と社会の密接な関係です。ある程度それらを予想して参加しましたが、予想以上に根深く、日本の義務教育や宗教性など、逆に日本を客観的に見る機会にもなりました。公立と私立の教育格差はすでに小学校から始まっており、それを簡単に変えられそうにない、ということが、子供達と触れ合い仲良くなっていただけに悲しかったです。また、日本にいるだけでは気づけなかったことですが、日本人である私だからこそ伝えられることがある、というのは自身の自信へも繋がりました。

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ハンディキャップを抱える子供達の学校でエビカニクスを踊り、みんなで盛り上がりました。
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公立小学校での授業の様子。LDCのボランティア学生が交代で翻訳してくれました。

インドネシア Petra Christian University

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三原 陸翔 MIHARA, Rikuto

旅行や留学では体験することができないであろう活動ができることや、様々な国の学生たちとともに過ごせることが、このプログラムの大きな特徴だと思います。観光地や高校すらない村で、ウォータータンクの修繕や川への階段づくりといった力仕事をすることはとても貴重な経験であると同時に村の人々の役に立っているという実感を得ることができました。また作業中や自由時間で他国の学生や村の人とコミュニケーションをとることで、価値観が覆されるようなさまざまな驚きや学びを得ることができ、自分の見えている世界が広がったような感じました。

海外経験がはじめてだった自分にとって、すべてが刺激的な経験でした。鶏の鳴き声で目覚め、遠い作業場まで歩き、村の方々や他国の学生とともに作業をし、裸足で駆け回るエネルギッシュな子どもたちと触れ合い、夜は冷たい水を浴び、ベースキャンプで卓球をして眠る。帰国後の生活が物足りなく感じるぐらい、今思い返すと日々の一瞬一瞬がとても印象に残っています。

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川へと下る階段づくりの様子。バケツリレー方式で協力して作業を進めました。
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村の最上部にあるウォータータンクまで、10分程の坂道を毎日行き来しました。
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朝はみんなでベースキャンプに向かいます。豊かな自然ときれいな朝日が気持ちよかったです。

南アフリカ University of Cape Town

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増渕 啓太 MASUBUCHI, Keita

ワークショップを通してアパルトヘイトの歴史や環境教育などに理解を深めた後に、その学びを活かして実際に教育機関でサービスをする流れが非常によかったです。最初の学びの期間はサービス活動をしている実感がなく、葛藤することもありましたが、その学びを小学校でのサービス活動にどのように活かすのかが重要なのだと身を持って感じました。

サービス活動中に印象に残っていることは、ケープタウンのスラム街での経験と、実際に現地の小学校に行って気づいた教育格差です。私は「アパルトヘイトのレガシーが残り続ける教育格差とは」という問いを持って現地に向かいましたが、現地に着いてまず、驚いたのは日中でもUberでしか移動できない治安の悪さと貧困層と富裕層における格差でした。やはり、アパルトヘイトにおける排除と迫害の歴史が現在の社会構造を築いているのだなとひしひしと感じました。また、富裕層の通う私立の小学校と貧困層の通う公立の小学校でサービス活動を行い、教育リソース、アウトプット教育の有無など、数日いるだけで学校間における教育格差を感じると同時にマクロ、ミクロレベルでの解決策を自分なりに模索することができました。

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サービスラーニングメンバー集合写真
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サービス活動中のクラスの様子