2021年度SL奨学金体験談

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皆さんもぜひチャレンジしてください!

kusuno_3s.jpg ID24 楠野 さくら

こんにちは。ICU2年の楠野さくらです。専攻は未定ですが、MCCメジャー社会学マイナーで学ぶ予定です。
コロナ禍で大学入学時から人との関わりが少ない中で、SLは外部の方々と交流できるチャンスだと以前から感じていました。加えて、今年の冬に参加した国際青年平和フォーラムで長崎の学生と話した際に、私がこれまで受けてきた平和教育と長崎の平和教育との差に驚かされ、被爆地で行われる平和学習全般について関心を持ったことがきっかけで長崎でのSLに参加しました。SL奨学金に応募したきっかけとしては、少しでも経済的な負担を減らしたいと考えたからです。長崎でのSLには今年の夏休みに一ヶ月間参加し、全国の青少年と長崎の青少年とが共に被爆の実相や平和について考える青少年ピースフォーラムの準備・運営や、長崎大学核兵器廃絶センターで長崎から核兵器廃絶に取り組んでいる方々から講義を受けたりしました。その他にも、被爆者の方から直接お話を伺うことや、被爆遺構巡り、被害と加害の歴史の両側面の学習など貴重な体験をすることができました。こうした経験をもとに、秋休みにはこれまで長崎でSLを行ったメンバーと共にオンラインで原爆展を開催する予定です。私を含め、SLに参加する上でのハードルの一つが金銭面という方も多いのではないかと思いますが、卒業生の方々のご寄付から成り立つこの奨学金では宿泊費と交通費が支給されるので非常に助けになるかと思います。皆さんもぜひチャレンジしてください!

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ガーナでの学び

ID24 土居本 唯織

ガーナ Ho Technical University

SLに参加した理由は?

ICU入学前から、開発途上国の教育開発に関心があり、一度開発途上国の現場に行ってみたいという理由から、国際SLに応募しようと考えていました。奨学金に応募した理由は、3年次からの交換留学を考えているため、国際SL、交換留学と、ICU在学中に二度も海外でのプログラムに参加することはかなり家庭への経済的負担が大きくなってしまうだけでなく、3つ歳の離れた妹が今後大学進学を控えているため、妹のためにも今私がなるべく経済的負担を減らしたいと考えたからです。

SLではどんなことをしたの?

新型コロナウイルスの影響でオンラインでの参加でしたが、日本での環境や衛生問題への取り組みを紹介し、ガーナのHo Technical Universityの学生と協力して、Ketaという漁村のゴミ問題解決のために住民たちや中学生・教員にアンケート調査を行い、結果の分析・考察と解決策の提案を行いました。

ガーナの、私たちが関わったKetaの人々は、自分たちのコミュニティで起こっている問題について問題意識が高く、主体的に問題を解決していこう、そしてこのSLで少しでも多くのことを学ぼうという強い姿勢を持っていることが感じられました。そのなかで、自分自身の学びや社会への態度を省みただけでなく、途上国支援のあり方についても考えさせられました。知らぬ間に先進国出身の自分たちが彼らよりも多くのことを知っている、彼らの助けになれると思い込んでいた自分に気がつき、むしろ彼らから学ぶことがとても多かったです。実際には先進国の人が途上国の人を「支援する」のではなく、パートナーとして、ともに対等な立場で課題解決に取り組むのだと学び、あくまで問題を解決していく主体は現地の人々であることを強く感じました。また、活動を通して知識面で学んだことは、交換留学の応募先を考える上で役立ちました。

SL奨学金制度に興味がある学生へのメッセージ

応募前は、SL奨学金制度はとてもハードルが高く思えるかもしれません。実際私も、英語が他の生徒と比べてとても堪能なわけではなく、海外経験も全くないので、受かる自信はありませんでした。しかし、正直な自分の気持ちを伝えれば、必ずあなたの熱意は伝わります。私は、SL奨学金を受給でき、国際SLでの経済的負担を減らせたことで、交換留学への応募がしやすくなりました。挑戦して損はないです!やる気と熱意さえあれば、誰でもチャンスはあります。応援しています!

社会課題への興味

ID24 栁澤 玲那

フィリピン Silliman University

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より実践的な国際協⼒・交流をしてみたかったから!

ID24 大竹 日和奈

Q.1 SL に応募した理由

より実践的な国際協⼒・交流をしてみたかったから!
私は⼊学してから主に開発研究と教育学を中⼼に学んでいるのですが、すべて机の上で完結していることに物⾜りなさを感じていました。⾃分が学んでいることは机上の空論にしか過ぎないのではないか、実際の現場においてこの知識はいったいどこまで活きてくるのだろうかと疑問に思っていました。そこで国際サービス・ラーニングの存在を知り、国際協⼒の形とは完全に⼀致しないものの、⾃分の学びを活かし、かつ振り返られる、そして次に繋げら
れる機会になると思い応募しました。

「サービスの提供」をしてみたかったから!
私は過去にベトナムで1 週間、フィリピンのセブ島で1 週間スタディーツアーに参加したことがありました。そこでは、スタディーツアーということもあり、⾃分が⼀⽅的に学び、何も還元しないまま⽇本に帰国しました。それが反省として⼼に残っており、より互恵的な関係を育むことはできないのだろうか、と思っていたため、ラーニングだけでなく、サービスの概念も含んでいるサービス・ラーニングに興味を持ちました。

国内外の⼤学⽣とともに学びたかったから!
私が⼊学したのはコロナ禍でした。そのため、あまり⼈と関わることもなく、⾃分の部屋に
閉じこもり、パソコンに向き合って勉強するだけでした。もっとICUの他の⽣徒と関わり、
そして他国の⼤学⽣とも⼀緒に勉強したい、と思い応募したのが最後の理由です。

Q.2 奨学⾦に応募した理由

⾃分のバイト代で全て賄えるか不安だったからです笑
私の親が勤めている職種はコロナに⼤打撃を受けました。そのこともあり、学費をお願いしている以上、追加的な学びは⾃分で賄うつもりだったのですが、⾃分のバイト費⽤で全て賄えるか不安だったので奨学⾦に挑戦することにしました。

Q.3 SL ではどんなことをした?

私はフィリピンのシリマン⼤学の国際SL に参加しました。
コロナの蔓延がおさまらなかったこともあり、全てオンラインで実⾏されました。最初の2週間はシリマン⼤学の⽣徒とともにオンライン授業を受講しました。フィリピンの⽂化、⽇本との関係を含めた歴史、現在の社会問題についてなど多くのことを短期間で学び、ICUとシリマンの学⽣とともに議論しました。その後の3週間は、Little Children of the PhilippinesとBata ng Calabnugan という児童養護施設にて、サービス活動を⾏いました。毎⽇約2時
間、⽂化交流やアカデミックな学び、楽しいゲームなどを含めたワークショップを⾏いました。最後の1週間は⼀ヶ⽉間の学びを他の学⽣とともに振り返り、発表をし、先⽣⽅からフィードバックをいただくことで、更なる学びへ発展させる機会となりました。

Q.4 学んだことは?

学んだことが多過ぎてうまくまとめられるか不安なのですが、⼀つピックアップするとしたら学びはすべての⼈の努⼒によって成り⽴つということです。⾃分がサービス提供者という⽴場を与えられた時に、「⼦どもたちの学びを深めるためには⾃分に何ができるか」という教育者として⽣徒をコントロールしなければいけないというようなマインドセットを持っていました。しかし、サービス活動をする中で、⼦どもたちにも⾃分たちで学びを作り上げていく⼒があり、かえって⾃分が学ぶことの⽅が多いということに気が付きました。良い学びというのは誰か⼀⼈が頑張って作り上げるのではなく、その場にいるすべてのアクターと信頼関係を構築し、協⼒し、協働することによって成り⽴つものだということがよくわかりました。そして、学んだこととは少しずれるかもしれませんが、何よりも⾃信を持つことができました。⾃分の意⾒や夢を聞いてくれる⼈たちがいるということ、そしてそれに向かってがむしゃら頑張るのは恥ずかしいことではないということを学びました。これからも⾃分の⾏動・⾔動に⾃信を持ちながら、他の⼈の意⾒を聞き、吸収し、学んでいきたいと思います!

Q.5 奨学⾦制度に興味がある学⽣へのメッセージ

お⾦が理由でSL に参加することを諦めないでください!
私はSL に⼊学当初から興味があったものの、経済的な理由より躊躇していました。3 年⽣になったら交換留学に参加したいと思っていたため、それに向けてお⾦を貯めないと!と思い、SL への参加はほぼ諦めていました。そこで奨学⾦の存在を知り、ダメもとで挑戦しましたところ、受給することができました。たしかに、提出しないといけない書類はあるし、⾯接も怖いし、といったハードルはあるものの、そこできちんと⾃分の熱意を伝えれば、聞いてくださる環境がICUにはあります。SL は経済的な理由で諦めることは勿体無いほどの経験、そして可能性を広げられる・作り出せる場です。ぜひ挑戦してみてください!

サービスラーニングは、ICUの学びを実践に落とし込む場所。

ID22 森 愛実 アイリーン

はじめまして。ID22の森愛実アイリーンです。

わたしにとって、サービスラーニングは、ICUの学びを実践に落とし込む場所だと思いました。ICUは、18個の学部を自由に履修できる学校なので、きっと皆さんも、開発学や、物理学、環境学に心理学など様々な学問の眼鏡から見ることを学びます。

サービスラーニングは、教室から飛び出し、自分の興味の持っている問題に実際に目を向け、アクションを起こしている団体と関われる良い機会になります。ボランティア活動とサービスラーニングの違いについて気になる方が多いと思うのですが、その地祇は、自分の「問い」を持っているかどうか、それに対応した自分の「ポジショナリティ」をあらかじめ用意出来ているかどうかになると思います。

わたしの場合は、ICUで環境研究などの授業を中心にとっている時に、休学している時にアイスランドに行ったときに、「地熱」について興味を持ったことが自分の問いに繋がりました。アイスランドでは、国の100%のエネルギーを水力や地熱などの再生可能エネルギーでまかなっていて、パン作りや温泉、野菜作りにも地熱のパワーを使っていました。しかし、アイスランドのガイドさんの話によると、アイスランドの地熱発電ポテンシャルは世界で7位だけど、日本はそれを上回る3位。そして、アイスランドの地熱発電所のタービンも、日本製の三菱と東芝のものを使っていました。しかし、日本では、地熱は全体の0.2%しか使われていませんでした。そのことに疑問が湧き、より知りたいと思うよ うになりました。

わたしは、自分で選ぶサービスラーニングで、その問いを深められそうなところを探しました。そしたら、サービスラーニングセンターの方に、市民電力連絡会という、私有の市民発電所の調査を行っているNPOとつなげていただきました。そこで、以前から太陽光や水力発電所の調査は行われていたのですが、わたしが入ることにより、地熱発電所にも調査票を送ることになりました。団体の代表とインスタライブで地熱について話すなど、SNSを使った広報活動にも参加しました。

夏の間は、わたしの「経験から学びたい」という要望を聞いてくれ、九州で一か月間地熱発電所の視察をさせていただくことになりました。地熱発電所に直接アポイントを取り、実際に現地で視察させていただくことになったのは、良い経験でした。

今は、その経験を元に、より多くの人に地熱の素晴らしさを知ってほしいと思っており、その発信活動に力を入れようと思っています。より知っていくために、今度福島県にある土湯温泉という、温泉旅館が地熱発電をしている場所や、原子力発電所を知り合いに案内していただくことになりました。そこで聞いたストーリーをいずれドキュメンタリーなどの映像作品という形で残して行きたいと思っています。それに加えて、今度BACKPACK FESTAという大会のDREAMで地熱のある資源を世界一周で回りたいという夢をプレゼン方式で語っていきたいと思っています。きっかけは、自分の興味をより知ろうとしたことでした。それによって、何が好きで、何が好きではないのか、どう興味分野が変わっていったのかもしれました。少しでも、興味のある方は、ぜひ参加してみてください!