2019.09.05

南米のSLカンファレンスに出席しました

2019年8月29-30日、南米のサービス・ラーニングを促進する機関「CLAYSS (Centro Latinoamericano de Aprendizaje y Servicio Solidario)」が主催の上、毎年開催されている「国際サービス・ラーニング・カンファレンス」に出席をしました。22回目となる今年度は、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催され、33か国、600名以上の南米の国々から中学高校教員が集まりました。初の参加者が最も多く、これからSLを始めるにあたりヒントを得るために参加を決めた人が多い印象でした。
 
南米以外は、アメリカから3名(ミネソタ大学Andrew Furco先生)、ドイツから1名、日本から2名(ICU)の参加となりました。会議は全てスペイン語で、非ネイティブには英語の同時通訳のヘッドセットが貸出しされました。

カンファレンス内容

1日目:

2日目:

 
カンファレンス詳細のページ
 
IMG_3075.JPGIMG_3081.JPGIMG_3008.JPGIMG_3082.JPG
 
カンファレンスを通して、南米のSL事情についての理解が深まりました。前提として、「サービス・ラーニング(Service-Learning)」は、スペイン語にすると「Servicio Solidario (サービス+団結、連帯)」と訳されることから、「学生の学び(Learning)」はもちろんのこと、「コミュニティとの連携(Solidarity)」に比重が置かれているようです。例えば、教育機関での子どもの学習サポート、街の緑化活動、医療機関でのインターンシップ活動など、コミュニティのニーズに応えるプロジェクトベース、問題解決のための活動が多く、コミュニティへ与える影響やインパクトを大切にしています。また、外国からはアメリカ人の学生も多く参加していますが、南米の学生が海外でSL活動をするケースはなく、地元のコミュニティでの活動が主となっています。さらに幼稚園児、小学生からSL参加が奨励されており、必須の科目としている学校も多いようです(例:480時間を必須としているモントレー大学@メキシコ、最低40時間を必須としているブエノスアイレス大学@アルゼンチン)。
 
南米ではコミュニティのニーズが急務であることから、学校だけでなく、政府組織にも地域貢献活動の部門がおかれています。このことから、日本の環境との大きな違いを実感し、日本の社会問題やSLの在り方について、今一度考えさせられる機会にもなりました。また、2019年6月にシンガポールで開催された「第7回アジア太平洋SLカンファレンス」に続き、世界各国でSLの重要性を認識している人々がこれほど多くいることに驚くと同時に、今後のSLの発展を大いに感じました。
 
IMG_3012.JPGIMG_3041.JPG