2019年度国際SL体験談

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インド Lady Doak College

アジアの学生と共に、障がい児施設や小学校、孤児院で子どものサポート。

活動の中で最も印象に残っていることは現地の学生とのジェンダーに関するディスカッションです。インドでは女性の人権や性犯罪、社会的地位の低さが問題となっていますが、実際に当事者の考えや実体験などを聞くことは初めてだったのでとても貴重な経験になりました。数あるジェンダー問題の中でも特に結婚に関する話が印象的でした。インドでは親が子供のパートナーを決めるarranged marriageが基本です。一般的に恋愛結婚するカップルはなく(そもそも結婚前に異性と交流する機会がない)、intercaste marriage(カーストの異なる相手と結婚すること)は認められません。特別な事情がない限り離婚もすることはできず、女性は結婚後夫の家に移り義理の両親の世話をする必要があります。様々な決まりのあるインドの結婚制度は、私の持っていた結婚観とあまりにも違って非常に驚きました。

サービス・ラーニングは大学生だから、ICUだからこそできるとても有意義な学びです。現地の人や他の国からの参加者と積極的に交流して、より中身の濃い経験にして欲しいです。異なる文化習慣に戸惑ったり、慣れない生活環境が辛くなったりすることもあると思います。でも楽しいことも苦しいことも全てひっくるめてサービスラーニング、学びの過程です。与えられたチャンスを最大限活かすためにも、様々なことに恐れずチャレンジしてみてください!帰ってきたら一回り大きくなった自分がいると思います!

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インド Union Christian College

インドの大学の授業受講をはじめ、盲学校や小学校で子どもと交流。

私の中では日曜日の礼拝に参加できたことがとても印象に残っています。私がインドのケララを選んだのに、宗教や文化多様性の現場が見たいという動機があったこともあり、とても興味深い体験でした。言語が分からなくても、礼拝の内容や賛美の内容は似ていたり、出席している人々の祈りというのは世界で共通するものがあるなと感じました。教会も様々な教派のものがあり、教会とモスクとヒンドゥー教寺院がとても近いところに建っている光景というのは非常に鮮明に覚えています。大学の中でも、みんなが隠すことなく宗教について語っていて、多様な人が共存していました。地元の人と近い距離で交流でき、暮らしの中に少しだけ溶け込めた気がした体験でした。

SLでは想像以上の発見や経験ができ、良くも悪くも予想を超えてくるものだと思います。現地での生活の困難さなどは経験してみないとわかりません。しかし、どこへ行っても濃密で多くを学び、人と交流できる1ヶ月になることは間違いないと思います。少しでも関心があるならぜひ行ってみてほしいです。密に現地の人と関われる貴重で素晴らしい経験です。

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タイ Assumption University

バンコクの高校での日本語クラスとパタヤの福祉施設などで活動。

最初の10日間はホームステイと高校での日本語教育だった。授業ごとにテーマを変え、それについての例文を交えたレクチャーとゲーム、実践的な内容で日本語を楽しく身に着けられるようにした。また毎回の授業で復習タイムを入れ、しっかり覚えてもらえるように意識した。最後のお別れの時にはお互い号泣するほど、10日間がとても充実していた。

次の障がい者施設のFather Ray Foundationでは、施設利用者に日本文化を教えながら交流を行った。折り紙を教えることは簡単だと思っていたが、人によって理解のスピードや手を動かすスピードが違ったり、1度手伝ったら全部やらなければならなくなったり、意外にも時間と労力がかかるものだった。施設の方に「障がいを持つ彼らにとっては折り紙で簡単な箱や花を折れるだけでもとてもすごいことだし、自分にはこんなこともできるんだと自信を持たせることができる」と言ってもらった。あんまり楽しくないかな、意味がないかなと思ったときにかけてもらった言葉だったのでより印象深く残っている。

タイの人はとても優しく、サービスをしに来た自分がサービスを受けているように感じることがあるかもしれないが、それを受け入れることも一つの学びだと思う。言語が通じなくても、一生懸命伝えようとすると彼らも理解しようと一生懸命になってくれた。こんなにもいい人たちに巡り合えることはそうそうありません。

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インドネシア Petra Christian University

世界各国から学生が集まり、郊外の村で施設整備や修繕事業など地域支援活動。村の家庭にホームステイ。

このプログラムは、大きく分けて2つの側面があると思います。人の面と、プロジェクトの面です。人の面に関しては、このプログラムを通じて本当にたくさんの素晴らしい出会いがありました。共に村で生活する世界7カ国からきたメンバーを始めとし、ホストファミリー、村の方々との出会いは本当にかけがえのないものでした。ホストファミリーや村の方々に関しては、言語の壁をありありと感じた一方で、言語が通じなくとも1対1の関係性は作ることができるということも学ぶことができました。プロジェクトの面では、正直思っていた通り何か自分が具体的に村に貢献することができたと実感することはありませんでした。ですが、「何もできなかった」で終わることなく、何ができたのか、それができなかったことの障害は何だったのか、とその先を考えることの重要性を感じました。

サービス・ラーニングに何を求めるかによって、3週間の過ごし方や得ることができるものは大きく変わってくると思います。私は、色々な国に友達ができた、また帰ってきたいと思える場所が増えたことの他に、自分の力ではどうにもならない問題に直面し、葛藤したりその問題の背景に何があるのかを考える、という貴重な経験ができた3週間だったと思っています。

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フィリピン Silliman University

1週間ごとに異なる団体(児童擁護施設、DV被害者支援センター、村、小学校など)で活動。

今回のプログラムは自分自身が来る前に知りたかったことや、学びたかったことに沿ったものであり、また新しい分野に対する興味の発見にもつながった1か月だったと思います。フィリピンの貧困問題や教育問題などに興味があったので、小学校訪問や一般家庭でのホームステイはとても多くの学びを得ることができました。貧困問題から子どもたちの性的虐待被害の問題というさらに焦点を当てた問題についても考えました。この問題は日本ではあまり大きく取り上げられるものではなかったため、このプログラムを通してこの問題に対する自分の興味関心や問題意識を持つ大きなきっかけになりました。私の中では子どものためのDVシェルターでの経験がとてもよかったと思います。

また、受け入れ先のシリマン大学の先生方や学生たちも私たちが1か月間無事に楽しく過ごせるよう本当にたくさんのサポートをしてくれました。彼らからもフィリピンについてたくさんのことを聞き、学びました。そして、彼らと過ごした時間も私にとってはかけがえのないものになりました。サービス・ラーニングに参加して心から良かったと思います。

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