2021年度国際SL体験談

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インド Lady Doak College

私たちのプログラムは前半2週間は専門分野の先生方の講義やLDCの学生とのディスカッション、後半2週間はオンラインで現地の小学校を訪れて人権やジェンダー平等についてのレクチャーを行いました。

ジェンダーのレクチャーのためのスライドを作っている際に、門限の話を入れてほしいとLDCの学生から提案がありました。彼女達から、「20時には帰らなければいけない」「私の地域では18時」「私はいつでも誰かと一緒でなければ外出を許されていない。独立した人間と見なされていない」という声が上がったことが衝撃的で特に印象に残っています。これまで一緒に人権やジェンダー平等について話してきた同世代の女性がそのような現実に直面していることを考えると心が痛く、その夜は自分が彼女達に対して何もできないことに無力感を覚えました。しかし、その後、自分がジェンダー平等について子どもたちに話すことは彼女達が苦しむ状況をほんの少しだけ変える可能性を持った芽になるのではないかと気付きました。最終日、LDCの学生が、「子どもたちに人権やジェンダー平等について教えるということは自分の夢の一つだった。インドではそれがほとんど行われていない。本当に夢がかなった。」と笑顔で話してくれたことは本当に心の底から嬉しかったです。

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インド Union Christian College

オンラインという難しい状況にも関わらず、講義形式ではなく、ライブセッションが多かったことがとてもありがたかったです。実際に足を運ぶことはできませんでしたが、ライブで交流することで慣習を知ることが出来たり、女性進出・教育・生物多様性など様々な分野に触れることができ、貴重な経験になりました。

Kudumbashree(女性の地位向上のための施設)との交流で、実際にオンラインで繋ぎこちらが日本のお菓子の作り方を説明しながら同時に作ってもらったことが印象に残っています。また、UCCの学生との交流を通じて、お互いの文化や生活について紹介し合ったことも印象的でした。

SL活動を通じて何を感じ、得られるかは人によると思いますが、違う環境で暮らす人々と交流することで、自分自身や周囲の環境を改めて見直す機会になると思います。また、ディスカッションや企画を考える場を通じて、積極性や創造力なども養われると思います。サービス・ラーニングと聞くと、どうしても助けたり、役に立つことが求められているように感じますが、現地の人々と「共に」考えたり、異なった視点で意見交換をするなどの姿勢が大事だと思います。

フィリピン Silliman University

フィリピンの歴史や現状、文化を知ることができたレクチャーはとてもためになりました。また、実際に子どもたちと交流できる時間はとても楽しく、学びが多かったです。

活動先の子どもたちはとても明るく、笑顔でフレンドリーに接してくれ、彼らのエネルギーと前向きな姿勢は印象的でした。温かくホスピタリティー溢れるフィリピンの人たちの人柄、サービス活動が終わる際子どもたちが「フィリピンで待ってるから絶対に来てね」と言ってくれたこと、そしてありがとうと伝えてくれ、涙してくれたことはとても印象に残っています。シリマン大学の学生ともとても仲良くなり、多くの思い出を作ることができました。

私はサービス・ラーニングに参加して本当に良かったと心から感じています。自分じゃ何もできない、なんの役にも立てないと感じることもあるかと思いますが、行動を起こしてみる方がいいと思います。もちろん、参加するには事前準備としてしっかり調べ、相手のことを理解しようとする気持ち、そして積極的に活動に参加する気持ちは大切だと思います。実際に現地の方々と交流し関わっていく中で、これまで知らなかった世界や価値観、大切なものをたくさん学ぶことができました。是非皆さんもこの機会に自分の殻を破って挑戦してもらいたいです。

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中国 Amity Foundation

初のオンラインSLは、手探り状態での参加でしたが、オンライン上でも受入先の人たちや南京の大学生と楽しく交流することができました。英語を使う機会が非常に多くあり、プログラムの最初の方と比べると、話す力、自分の考えを発信する力がかなりついたと感じます。リモートでの人との関わり方、異文化交流のあり方など、自分なりの答えを見つけられたと思います。

日本と中国の違いや共通点、特に社会福祉に関するトピックが興味深かったです。サービス活動を通して、中国の社会福祉は着々と進められており、貧困率も年々減少していること、日本と比べて国土が広い分、福祉を行き渡らせるのは難しいという事実も知りました。他国のことを日本基準で考えるのではなく、その国の状況やバックグラウンドを鑑みて最適な解決策・改善案を考えることが大切であると感じました。

私は、「何かの役に立ちたい、学校外での学びを得たい」という抽象的な思いからプログラムに参加しましたが、活動を通して、自分が何をしたか、何をしてもらったかを振り返ることで、人との関わりが大きく作用していることに気が付きました。だからこそ、積極的に色んな人と関わり、協力することによって、もっと広いフィールドでできることを考えたいと思うようになりました。

ガーナ ホー工科大学

ガーナのプログラムは今年から始まったもので、受け入れ先の方々、ICU生、ホー工科大学の全員で模索しながらプログラムをより良いものにしよう、何かを残そうとしていけた経験は貴重だったし、学びも多かったと思います。様々な議論のなかで、ガーナの、特に私たちが関わったKetaの人々の生活習慣の日本との違いを知ったり、ICU生の中での意見の対立などを経験したりして、特にグループワークの進め方については学びの多いものとなりました。

活動中に印象に残ったのは、ガーナの中学生や環境団体、議会などで働いている人たちがコミュニティの問題解決に対してとても意欲的で、彼らが持っている知識や身近な事象をもとに考え、クリティカルな質問をすぐにたくさん出していたことです。彼らの「現在の状況への問題意識やそれを改善していきたい」、「私たち日本から来た学生から少しでも多くのことを吸収したい」という強い思いが伝わってきて、自分たち日本の学生も、自分たちが社会課題の当事者かもしれないし、自分たちが社会を変えることができるという意識を持って学習したり社会と関わったりしていく必要があると強く感じました。

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