2020年度コミュニティSL体験談

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長崎平和推進協会・長崎大学

今回のサービス・ラーニングプログラムを通して、長崎の被爆遺構を巡るだけでなく長崎の歴史や文化を知ることで、なぜ長崎が被爆地になったのかという理由を理解するきっかけとなりました。昔は歴史が退屈に感じ、少し拒絶意識があったものの、今回のSL活動を通して、以前より興味を持てるようになりました。特に様々な場所や人物の歴史が繋がっていくと全体像が見えてきて、さらに現地で想像しながら回ってみることで、より興味深く感じ取ることができました。現地でのサービス活動で印象に残ったのは「岡まさはる記念長崎平和資料館」です。長崎でのサービス活動の前半で長崎の被爆について多く取り上げてきた施設を見学した中、「岡まさはる記念長崎平和資料館」では日本の加害者の面を紹介していました。こちらの施設は長崎市が提供している地図などには記載されておらず、ボランティアとして活動している市民でのみ運営されているため、認知度が低いことや資料が溢れていて整理がついていないことに困っているようでした。また、資料の翻訳などの手伝いやクラウドファンディングなどのウェブサイトの組み立て方について知っていることがあれば、ぜひ教えて欲しいと言われました。文字の大きさや展示の仕方についても少し現地にいる間に私なりの感想やアドバイスなどを共有することができました。東京と長崎で離れていても、今後はメールのやりとりを通して、具体的にどの部分を翻訳できるのか、他にどのようなサービス活動ができるのか (例えば、現地の学生と繋げてオンラインイベントを企画するなど) を考えて繋がりを構築していきたいです。

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アジアキリスト教教育基金 (ACEF)

アジアキリスト教教育基金(ACEF)事務局の方々が様々な活動において私たち学生を信頼し、任せてくださったことで、責任感を持って主体的に活動に取り組めたことが良かったです。特にマイクロファイナンスの準備資金を集めるために行ったクラウドファンディングの立ち上げは、最初から最後まで関わったのでとても印象に残っています。2月初旬から実際に集まった資金で現地の人々への融資が始まったと聞き、自身の活動が現地に繋がっていると実感できたことも嬉しかったです。一般教育科目のサービス・ラーニングの授業でサービス・ラーニングとは何かや活動にあたっての姿勢、ポジショナリティに関して学び、コミュニティサービス・ラーニングで実践するという一連の中で、より濃い活動ができたと思います。ACEFでのサービス活動は自分がいかに途上国に対して先入観や思い込みを持っていたかを気付かされることの連続でした。ACEFの「協働」の精神を知り、十分注意していたにもかかわらず、ACEF会員の方々との話し合いの場で、また、私たち学生ボランティアが作成したものを添削いただく際に、自分が未だに先入観を抱いていることに気づくことがたびたびありました。しかし、1年間の活動を通して自分の思い込みに対して自覚的でいること、物事を批判的にみることが少しずつできるようになったと考えています。私はまだ未熟で、間違えてしまうこともありますが、今後もACEFの活動だけでなく、様々な場所で今の自分を「省察」することを続け、少しずつ自分が持っている思い込みから自由になれればと思います。

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ICU 平和研究所

オンラインで3度も平和イベントが開催できたのは良い経験でした。コロナ禍における新しい生活様式に合わせたイベントを展開することができました。5か月間思い描いていたことがようやく形にできたことは非常に喜ばしかったです。第1回目のレクチャーを開いた際、予想よりも参加者が少なく落胆してしまいましたが、どのような工夫を施したらもっと多くの参加者を呼ぶことができるかを話し合い、広報に力をいれ魅力を外部に伝える作戦に出ました。すると、最終回の第3弾では40を超える人が参加する大きなものに発展させることができました。このオンラインピースイベントの開催までに様々な困難がありましたが、平和研究所のスタッフの方々とSL生の協力があり無事に成功を収めることができました。サービス・ラーニングは、アルバイトやボランティアとは違い、自らのポジショナリティや活動を行う上での問いを持ち、自分の行動や視点を振り返りクリティカルシンキングを持つことができる、そんな貴重な経験ができる機会です。私はSL活動を通し、平和構築においては、大きな絵を見るだけでなく、自分の身の回りの平和にも視線を落とすことの重要性に気付くことができ、一歩成長することができました。SL活動終了後も、ICU平和研究所にてボランティアスタッフとして活動を継続しています。さらに、もっといろんな平和に触れ実践力を身につけたいという思いが芽生え、紛争予防措置を専門に行っているNPOでインターンシップを行うことを決意しました。

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太陽光発電所ネットワーク

今回のSL活動のメインとなるSNSでの啓発活動がとても自分の成長につながっていると感じていると共に、団体にもいい影響を与えられたと感じています。活動期間の短さから、実際にSNSの運営をすることはできませんでしたが、誰にどう伝えてどのような影響を与えたいのかなど、様々なセグメンテーションを考えてどのようにSNSを運営すべきなのか、投稿するコンテンツはどのようなものがいいのかなど、様々なアイデアを出しました。また長期的に継続して運営ができるように企画書のテンプレートを作成したり、YouTubeなどに掲載する用の地球温暖化に関する10分程度の動画の作成も行いました。地球温暖化の知識が豊富ではなく、動画編集なども行ったことがなかったので不安でしたがなんとか完成させることができました。一番印象に残っているのは、スタッフの方と日本のNGOについて話し合ったことです。太陽光発電所ネットワーク(PV-Net)の理念や組織構造、また、抱えている問題の原因と解決策を模索しながら議論したり、彼らが行っている活動の現状でのインパクトの大きさやその価値について、さらには日本社会全体が抱えるNGOの問題についても話し合いました。日本の社会ではその社会にあった形でNGOが存続していける形を模索することが大切だと話したことが心に残っています。

YoutubeのURL

https://youtu.be/jrjFfpRVk9A

フェアトレード・ラベル・ジャパン

活動先の方々が、限られた資金の中で、かなりクリエイティブに考え、行動していたことは、印象に残っています。私の活動先では、ステークホルダーとの連携や、募金活動等において、戦略性のある活動をしていたので、私の抱くNPO団体のイメージががらりと変わりました。また、職員の方々が積極的に若者の意見を取り入れたり、提案に賛同をしていて、団体として柔軟性があるという印象を受けました。緊急事態宣言下という特殊な状況下においても、一生懸命自分たちがどのように動けるのかということを考え、活動する行動力に感心することもありました。私の活動の場合、仕事を任されるのではなく、自分から提案や計画をして、承認をうけて実行するという形でした。最初はどのようなことができるのか、どのようなことをするべきなのかということを探る必要があったため、少し大変でしたが、そのプロセスで学ぶことも多かったので、結果的には自分のためになったと思います。また、コロナの影響でリモートワークだったため、コミュニケーションに時間がかかったり、活動先の雰囲気がつかみにくかったのは、大変でした。社会で活動をしてみて、自分が机上で勉強しているときに抱いていた認識と現実が少し異なっていることに気づけたり、現場でしか出会うことのなかったような知見・新たな課題に出会うことができました。

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上勝町ゼロ・ウェイストセンター

東京では考えられない体験がたくさんできたのはとても斬新でした。上勝町の人口はとても少ないこともあり、自分の興味のある分野を話すと、「じゃあこの人と話してみるといいよ」などとすぐに他の人と結びつけてくれました。同じ環境問題でも様々な方向から環境問題にアプローチしている人と出会えて、実際にお話を聞き、現場を見せてもらえたのは貴重な経験だったと思います。私は主に上勝町ゼロ・ウェイストセンターでゴミステーションやくるくるショップを中心に活動させてもらいましたが、興味のあるファッションのアップサイクルに取り組んでいる方とも実際にお会いし、仕事現場を案内してもらいました。環境に特化している地域なこともあり、衣食住と様々な角度からアプローチをしている人がいて勉強になりました。サービス活動で1番印象に残っていることは、上勝町に住んでいる住民の方々みんなが日本で最前線に環境に特化した取り組みをしているとして上勝町が注目を浴びていることに賛同しているわけではないということです。人口がとても少なく、過疎化しつつある上勝町にとって、様々なテレビや雑誌とメディアに取り上げられ、認知度が上がることはプラスでしかないと思っていましたが、住民としては静かに暮らしたいという意見があることを知りました。

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