2022年度コミュニティSL体験談

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JSSL(Japan Summer Service-Learning) プログラム

私が天龍村で経験したことは他のプログラムに入った学生たちと異なります。なぜかというと、私は日本語を勉強中なので、現地の人の話を聞きながら、天龍村の歴史について習っただけではなく、多くの新しい言葉も習っていました。そこで、一日の活動が終わっても、日本語の練習が終わらなかったです。つまり、ずっと日本語を喋っていたので常に知識を吸収し続けました。もちろん、そのお陰で、私の語彙力と会話力を高めることができました。それだけではなく、他の学生たちと深い関係も築けました。毎日同じ6人と暮らしていたので、元気な自分、疲れた自分、お腹が空いた自分などを見せるしかなかったです。一ヶ月だけでしたが、早く仲が良くなりました。

それから、天龍村の活動も印象に残っています。村に住む年配の方と喋ること、生徒たちと勉強すること、子供たちと遊ぶことなどで、天龍村の文化と社会的関係を直接に体験できました。特に、伝統的習慣を図書館にある資料で考察したわけではなく、現地に行って参加したり、村人の考え方と意識を意識したりできました。

※日本語学習中の留学生による体験談です。

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有限会社メノビレッジ長沼

朝起きて、家畜の世話を手伝い、朝食を食べて農作業をする、昼食後農作業を再開して夕食、就寝、というサイクルで1日が過ぎていきます。生活の殆どを占めていた農業に関しては、未知の分野だったので、実物を目で見て手で触れながら学ぶ経験は新鮮で貴重なもので、農業という新しい分野に自分の興味が開かれていくのを感じました。また、メノビレッジを訪れる様々な方たちとお話ししたり、メノビレッジの方とより深く話をしていくことで、新しい人生の選択肢を知り、「もっと思うままに自由に生きてもいいのではないか」と思えるようになりました。メノビレッジでの、あまり焦らずに今ここにある生活を丁寧に紡いでいく、という生き方がとても気に入り、東京に帰ってきた今も、そのような生き方、時間の捉え方を大切にするようになりました。加えて、メノビレッジの方々は農作業自体を「仕事」としてではなく「生活を豊かにしてくれるもの」として捉えていると感じ、自分自身の労働観も変化しました。お金を稼ぐ手段としての職業という面もあるけれど、生活と深く関わり、生活や、ひいては自分自身の人生を豊かにしてくれるものとして捉えることもできるのだと学びました。

メノビレッジの方が、「私達は、人の命の火をずっと燃やし続けたい、そういう想いで農家をしています」と話していたことがとても心に残っていて、そんな想いを持ったコミュニティに30日間も滞在できたことに感謝しています。

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公益財団法人長崎平和推進協会、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)

さまざまな視点から、平和や原爆、戦争や権力について向き合い、思考するとても良い経験になりました。中でも、長崎平和推進協会の活動を通して、稲佐山平和祈念音楽祭に参加できたことが非常に印象に残っています。平和を音楽という側面から考えることができて、また新たな発見がありました。

活動を始めた当初は、自分がポジショナリティを築いたり、他者と対話できるレベルに成長できるのか、不安しかありませんでした。しかし、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)のセッションで、アーティストやメディア関係者から原爆問題に向き合っている人たちの話を聞く中で、この時代に生まれた、戦争を経験していない私たちも、核兵器のある世界に生きる人々に変わりなく、自分たちの生活に脅威を感じるから、何か働きかけ行動するべきだ、ということにハッと気づかされました。それまでは、どこか遠いような、自分とは関連が薄いと思っていた事柄も、この気づきを得て、自分との距離感が縮まったように感じます。この自分の中での変化を、サービス・ラーニングプログラムに参加していない人たちにも伝播させ、一緒にこれらの問題を考えてくれる仲間を探していきたいと思っています。

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一般社団法人ドチャンベンジャーズ

サービス・ラーニングは大学で習った知識を実践で活かせることが大きな魅力だと思います。さらに普段の生活では出会えない人と交流し、五城目のゆったりした時間や人の温かさを感じることで、自分の人生が豊かになると思います。活動の中で印象に残っているのは、コミュニティの中に入ることの重要性です。当初は問題意識を持って、問題に関連すること、知りたいことをインタビューすることに集中していました。しかし、中間リフレクションで活動先の方に「それあんまり求められてないんじゃない?」「とりあえず中に入ってみなよ」と言われました。そこからよそ者がどのようにコミュニティの中に入ればいいのかという問いを追及するようになりました。自己開示をアドバイスされましたが、自分のどの部分を開示し相手と交流するために何を聞けばよいか分からず、その「コミュニティの中に入る」という行為が、どうサービスやラーニングに結びつくのかということを考え続けて30日間の活動が終了しました。具体的な見かけのサービスが本質的なサービスではないということ、想定外の行動が受け取り側からしたらサービスになることを学べたと思います。

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認定NPO法人カタリバ コラボスクール 大槌臨学舎

私は震災に関して調べるために教育現場で活動し、そこで自分が現地の人々に貢献する以上にさまざまな学びが得られました。特に私が感じたことは、ICUで学ぶだけでは自分の視野は広がらないということです。実際に私は現地の人々に価値観に触れた時に、日本国内であるにもかかわらず、海外の価値観に出会ったように感じました。これは国内でも文化の多様性が存在しており、そこにはまだ自分が知らない考え方があるということだと思います。私は国外に目を向けがちでしたが、国内での可能性をこのプログラムで感じることができました。また、地域の人々からの温かいお言葉が印象深く、自分のサービス活動の動機になったのだと思います。今後も長期休暇を利用してこの町と関わっていきたいです。

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特定非営利活動法人 TEDIC

私にとってコミュニティ・サービス・ラーニングは自分自身が持っている価値観を問い直された貴重なプログラムでした。知らない土地で多くの人たちと出会い、交流し、社会の中のさまざま課題に対して一緒に共通の目的を持って活動することで、「私」の行動や考えがどう「他者」に影響しているのか、また「私」の考えた方や行動がどう「社会」に繋がっているか、どう影響しているのかについて感じたり考えたりすることが出来ました。 また活動中、色々な人の話を聞いて、彼らの世界の見方を知ることで、自分の中にある当たり前だと思っていたことが「果たして本当にそれは当たり前か?」と批判的に考えるようになり、結果「生涯にわたり他者と世界平和のために批判的に考え行動し続けることのできる生涯学習者(ライフロング・ラーナー)」のスタートラインに立つことが出来たのではないかと思います。

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アジアキリスト教教育基金(ACEF)

私はACEFで主にSNSの定期投稿、イベントの参加、クラウドファンディングを行いました。クラウドファンディングはとてもチャレンジングで、目標に向かって試行錯誤しましたが、活動先の方達が熱心に指導してくださりとても感謝しています。Instagramの投稿をするごとに少しずつフォロワー数も増えてき、達成感を感じる事ができました。 バングラデシュの子ども達が通っている学校とオンラインミーティングを行い、スタディーツアーの様子を見る事ができたことが印象に残っています。子供たちがとても素敵な笑顔で迎えてくれ、勉強が大好きだということも伝わってきました。女の子達は「将来はお医者さんになりたい」、男の子達は「軍人になりたい」と発言していたことがとても印象的でした。愛国心が強く国を守ろうという意識が幼い頃からあるのかなと思いました。同時に日本の人々がどれだけ平和で恵まれている環境に置かれているのかも考えさせられました。

長崎大学(教員主導コース)

平和教育の体験的な学習のための教材とプログラムの開発に取り組む、大変良い機会となりました。
戦争が遠い存在になっている現代だからこそ、平和を自分の問題として捉え判断する力を涵養するための体験的な学習が求められるだろうという問題意識から活動を始め、多くの学びを得ることが出来ました。
例えば、「被爆者」と呼ばれる人びとの多様性を知ることができました。それまでは「被爆者」と聞くと、被爆者健康手帳を所持する「公的な」被爆者像が連想されていましたが、様々な団体・個人の方々からお話を聞くうちに、それまでイメージしていた「被爆者」とは多様な被爆者のうちの1つの在り方であり、自分たちの「被爆者」に対する視点が固定化されていたことに気付かされました。
また、戦争体験者が減少し戦争遺跡が消失する現代において、先進的なメディアがもつ効果を実感することができました。参加者全員がVRをはじめとする先進的なメディアの使用経験はありませんでしたが、長崎大学の方々の協力のもとVR等の活用方法を新たに学習し、先進的なメディアの活用が、より戦争を身近な問題として捉えるきっかけ作りとなることを実感しました。
戦争というとどこか他人事のように捉えられてしまうかもしれませんが、今回のサービス・ラーニングの経験を通じ、より身近に感じることができました。

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