2021年度コミュニティSL体験談
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JSSL(Japan Summer Service-Learning) プログラム
天龍村の魅力は「村民」のみなさんのやさしさ、人柄だと思います。サービス活動で印象に残っているのは、現地の方々との交流です。村民の方々がとても親切に、そして私たちに積極的に関わってくださり、お話を通して学ぶことがたくさんありました。行く前気づけなかった村についての歴史、問題について、お話を通して新たに学ぶところがあり、実際に現地を訪れ、現状を見て、当事者からお話を聞くというのは、何物にも代えがたいと思いました。もともと社会問題に興味、関心があり天龍村を訪れたので、今回実際に訪れて学んだことを卒業論文や今後の学びに活かしていける題材を手に入れられたという点で、非常に有意義でした。
田舎に滞在して、さらに五感をフル活用して田舎暮らしを体感するということはなかなかできることではないので、このプログラムで経験できたことはかけがえのない財産になりました。東京でも小学校と海外をオンラインでつなぐ国際交流という前例のない試みを実現できたことを誇りに思います。そして4人の仲間にも恵まれ、毎日楽しく過ごすことができ、学びを深め、豊かにすることができました。少しでも田舎暮らしに興味があればぜひ参加してほしいプログラムです!きっと新しい価値観、考え方を手に入れることができると思います。
長崎平和推進協会・長崎大学
初めての土地での30日間のサービス活動は目に映るもの全てが新鮮に感じました。最も印象的だったのは人生で初めて被爆者の方と交流したことです。戦後76年を迎え被爆者の方々の高齢化が進む中でお話を伺った方は皆80歳以上でした。決して健康とは言い難い状態で、原爆で大切な方々を失い思い出すのが辛い記憶であるにも関わらず、体験談を話し続けているのは、もう誰にも二度と同じ体験をしてほしくないという原動力があるからだ、というお言葉に心を打たれました。世界で唯一の戦争被爆国に生きる人間として、被爆者の想いを引き継いで、長崎だけでなく日本全体、世界全体で平和について考えるために行動に移していきたいとの思いを強くしました。
サービス・ラーニングでの活動を通して自分の若者としての可能性に気づくことができました。これまでの私は物事に対して消極的で何事にもネガティブに考えてしまう人間でした。しかし、活動先で同年代の平和活動に精力的に従事している方との交流を通じて自分が自分で限界を決めていたことに気付かされました。今後は長崎での経験を生かし、平和活動にもそれ以外にも興味を持ったことにはなんでも飛び込んで行きたいです。参加を迷っている方は、ぜひ一歩足を踏み出して見てください。
アジアキリスト教教育基金(ACEF)
基本的に活動先の方が学生に活動の企画や運営に任せてくれたため、自分たちがより主体的になって活動できました。
最も印象に残っているのは、自分たちがメインに取り組んだ中高生向けのイベントです。日本全国の意志ある中高生がイベントに参加してくださり、ロールプレイングやディスカッションなどを通して参加者と主催者同士が積極的に交流し、新たな発想を参加者から学ぶことがあり、互恵性のあるイベントになったと思います。また、中高生にとっては自分に近い立場の大学生が運営するイベントであり、専門家や学校の先生が主催するのとはまた少し違う作用が働いたとも思います。"学生だからできること"ができてとてもよかったです。
活動開始時点であまり"問い"が明確でなかったり自信が持てない方もいるかと思いますが、焦らず、活動を通して自分が率直に思ったことや感じたことを大切にして欲しいです。それがそのうち新しい"問い"や自分自身の"意見"になり、活動の中の、あるいは実生活の中の"自分"を発見できるのではないかと思います(ポジショナリティの確認にも繋がります)。ぜひいつもより1.2倍主体性をもって自分に素直に活動してみてください。応援しています。
学校法人 アジア学院
通常とは全く異なる環境下で、自分たちが食べるものを作り、背景の異なる人々と一つ屋根の下で暮らし、語り合えたことは、非常に新鮮で刺激的な体験でした。また平日毎朝行われるMorning Gatheringという、コミュニティ内の人1人の話を30分聞くイベントでは、「他者を知る」という意味で大変意義深い時間を過ごせたと思います。
また、家畜の世話をしていたとき、目の前の命と、スーパーで見るような肉になった姿を繋げて考えることができず、愕然としたのも印象的でした。今のままの農業では持続可能とは程遠く、有機農法も完全な正解ではないこと、かつその前段階として有機農法にはコストが非常にかかることなどを学んだことで、次の世代に何が必要とされるのかを考えるきっかけにもなりました。
SLは、自分が今抱えている疑問や違和感を言葉にし、それを解決するために現場の人たちはどう動いているのか、自分には何ができるのかなどを考えるきっかけになると思います。活動を通して人と関わり、社会を作っている構造の側面に少しでも触れることで、自分の言葉で何かを語れるようになるかもしれません。机にかじりつく勉強に飽きたら、おすすめします。
Glocalみたか
私が行った活動は、遠隔のみだったのですが、オンラインでも学生が気軽に参加でき、社会に貢献もできるというメリットは非常に助かりました。
子供たちに多様性を教える中で、「知らない」ことが「知る」に変わる瞬間を改めて経験することができました。その時の子供たちの学びを得た、キラキラした眼差しがとても印象的です。活動は全て楽しく、まなびがあるものばかりでした。オープンな場で、学生にも自由に発言させてくれたからこそ、学生が各々興味あるものを一から作り上げられたんだなと思いました。日本では、このようなオープンな場が少ないので、Glocalみたかの強みであり、魅力だと感じました。最後に、出会いがたくさんありました。同じような興味を持つ学生とチームを組んで活動したのがとても楽しく、印象に残っています。
サービス・ラーニングは、活動している学生本人が楽しんでいないと意味がないので、自分の関心のある活動を選ぶべきだと思います。そして、学んだことを最後に社会や先行研究に繋げるところまでがサービス・ラーニングなので、自分の活動をもっとマクロ的に見ることが大切だと思います。
社会福祉法人 佑啓会 ふる里学舎
これまでICU生が活動先として選んだことのない活動先だったため、サービス・ラーニングについての説明から活動の目的・課題意識などを明確に伝えるところから始まりました。自分が活動前に持っていた課題意識や問いについて1ヶ月を通して考え、自分なりの答えを出すことができたものもあれば未だに答えを見つけられないものもありますが、忘れられない貴重な経験をすることができました。
障害をもつ方々とのコミュニケーション一つ一つが今でも強く印象に残っています。最初は不安だった障害のある方々との関わりが、日が経つとともにすごく楽しくて、なんだか愛しくて、気持ちが温かくなるものになっていきました。障害とは何か、共生社会とは何か、生きる意味とは、などについて、現場で働く方々と深く考えさせていただき、今までの自分の固定観念のようなものを見つけ、疑問を持ったこともとても大きな気づきでした。
私はSLを通して、普段大学で学んでいることが必ずしも正解ではないのではないか、とハッとするような経験ができました。頭で考えるばかりではなく、実際にその世界に飛び込んでみることが新たな気づきに繋がるのだと思います。皆さんにもぜひ、疑問を感じたことや興味を感じたことを、現場での活動を通して、より深く知って欲しいです。
特定非営利活動法人 自殺対策支援センター ライフリンク
私自身、コロナ禍でイレギュラーな状態が日常になりつつも、オンラインの状況に不満やストレスを抱えながら実習に取り組んだことが、生きづらさを抱えている人たちの今に寄り添った企画を考えることにつながり、意味のある特別な経験ができました。
実習当初は、自分一人で企画を考案し担当しなければいけない状況だったため、企画の深掘りに苦労しました。しかし活動を進める中で企画内容が具体化し、自分ができる仕事/職員の方にお願いしたい仕事/助けて欲しいことがわかって、協働ができるようになり、最終的にはチームの一体感が深まりました。実習期間を通して、活動先との関係性が変化していったことが印象的でした。また、自分が取り組みたいものを全面的に押した企画を出したところ、"やっぱり若者は我々とは違う着眼点を持っている"というコメントをいただき、無事企画が通った経験から、"自分の興味や意思にしたがって活動をしようと思うようになりました。
自分で探す活動先でSLに取り組むことの最大のメリットは、自分の興味を追求できることです。SLを乗り越えられたからこそ、今後も自分の力で、更なる興味について探求、活動をしていくことに自信がつきました。未知のことへの挑戦の心のハードルが下がったことは、目指したい道に向けての大きな前進だと感じています。
富士河口湖町役場
特に主体性を持って活動できたと実感できたのは、活動企画を作成した時です。どうすれば移住者を増やすことができるのかについて私が中心となり策を考え、受け入れ団体の方々は私の考えを親身に聞いてくださいました。その際に、社会学的なアプローチを用い、最適な解決策を考えるなどして学術的な分析を行うことで、地域のマクロ・ミクロの視点から幅の広い学びを行えました。また、最終的に提案した案を実際に受け入れ団体の方によって実現していただいた際には大きなやりがいも感じることができました。
最も印象に残っていることは地元のフィールドワークです。受け入れ団体の方々の案内で町内の空き家を見て回り、多くの放置されている空き家を確認し、役場で管轄している空き家はほんの一部であることがわかりました。このフィールドワークがなければ、空き家活用に関する活動を企画しても現実のコンテキストに適応したものとはならなかったと思います。実際に自分の足で現場にいき、現実を見たからこそよりその地域に根差した活動を企画し行うことができました。大学での机上の学問だけでは気づくことができなかった"現状を知ること"を学ぶことができたという点において大変印象に残っています。